2019年以降の作品
データ資本主義 (ビッグデータがもたらす新しい経済)
NTT出版 (ビクター・マイヤー=ショーンベルガーほか著)2019/3/25
日本経済新聞「この1冊」2019/6/1での藤田康範・慶応大学教授によるご紹介
斬新な未来図を示し常識を覆す。これからの資本主義を描き出す全10章。刺激的な各章が巧みに結合した本書を読了する頃には、読者は新たな見方を受容する喜びを感じるであろう。
本書は複雑な現状を誠実に描写し、我々に未来への希望を与えれくれる。人工知能を万能視する人や敵視する人、給与以外に生きがいを感じる人、21世紀のゴールドラッシュを実感したい人、等々。様々な人に読んでほしい一冊だ。
日経新聞「2019エコノミストが選ぶ経済図書ベスト10」の4位に選ばれました
イノセントマン ビリー・ジョエル100時間インタヴューズ
プレジデント社 2019/9/12
2011年に自伝として出版寸前まで進んでいながらビリー自身の意向でお蔵入りとなった膨大なインタビュー音源を基に、当時の共著者が評伝として再構成。幻の自伝が評伝に形を変えてようやく日の目をみることに。
TOOLS AND WEAPONS 誰がテクノロジーの暴走を止めるのか(マイクロソフト社長 ブラッド・スミスほか著)
プレジデント社 2020/8/28
テクノロジーが進化を続ける一方で、さまざまな課題が持ち上がっている。我々の知らないうちに、ネット上では国家間の激しい「戦争」が繰り広げられており、すでに民間人が被害を受けるほど悪化している。また、顔認識技術で国民の動きを完全に把握しようとしている国家、コンピュータウイルスで多くの国を混乱に陥れようとしている国家、大統領選挙をネット経由で妨害しようとしている国家をあぶり出し、テクノロジーの問題点や解決のあり方を提示する。テクノロジーの暴走の中で、民主主義は生き残ることができるのかと著者は問う。
小売の未来 新しい時代を生き残る10の「リテールタイプと消費者の問いかけ」
ダグ・スティーブンス著
プレジデント社 2021/6月
パンデミック初期に経営破綻に陥ったブランド、小売店の大半は元々、集中治療室に入っていたようなものだった。経営破綻ブランドのなかで、消滅してしまって残念と思えるブランドがどれほどあっただろうか。
ポストコロナの時代へと無事飛び移ることができるブランド・小売業者はいくつあるのか。実店舗の新たな姿とは。新しい時代の小売の処方箋を提示する。
締め切りを作れ。それも早いほどいい。― ―時間と質を両立する仕組み
クリストファー・コックス著
パンローリング 2022/7月
意志の弱さを解決する効果的な仕組み、それが「締め切り」。実際、時間が限られると、無駄が減り、集中力が高まり、生産性や独創性が高まる。ところが、副作用もある。締め切りを設定したとたん、人間は締め切りぎりぎりまで仕事を先送りしがちだ。
では、締め切りのマイナス面につかまることなく、プラス効果だけを享受するにはどうすればいいのか。本書では、締め切りを確実に生かしている優れた組織の事例を取り上げながら、行動科学や心理学、経済学の専門家の知見を添えて解説する。
地球上の中華料理店をめぐる冒険
5大陸15ヵ国「中国人ディアスポラ」たちの物語
関卓中(チョック・クワン) 著
講談社 2024年6月
北極圏にある人口8万人にも満たないノルウェーの小さな町、アフリカ大陸の東に浮かぶ島国・マダガスカル、インド洋の小国・モーリシャス……。世界の果てまで行っても、華人経営の中華料理店はある。彼らはいつ、どのようにして、この土地にたどりつき、なぜ、どのような思いで中華料理店を開いたのか。そんな疑問を抱いて、世界に離散する華人の象徴とも言うべき中華料理店を訪ね歩き、一国一城の主や料理人、家族、地元の華人コミュニティの姿を丹念にあぶり出したのが、チョック・クワン(関卓中)著『地球上の中華料理店をめぐる冒険(原題:Have You Eaten Yet?)』だ。
食が表のテーマだとすれば、裏のテーマはアイデンティティである。食を足がかりに、その土地に華人が渡ってきた歴史的背景や彼らが置かれた状況、アイデンティティに対する彼らの意識を著者らしい旺盛な好奇心と鋭い視点で浮き彫りにしていく。
「あなたは自分が何人と思っているのか」「故郷はどの国か」「子供には同じ華人と結婚してほしいか」
著者は、このシンプルな、それでいて深淵な問いを投げかけ、華人の揺れる心の奥底をえぐり出していく。
本書のもととなったドキュメンタリーは2006年に公開されて反響を呼んだ。それから10有余年の時を隔てて、クワン氏は映像では伝えられなかったことも含め、このドキュメンタリーをベースに、書籍の形で改めて世に問うことになった。それが本書だ(ドキュメンタリーは今もYouTubeで公開されている。「Cheuk Kwan's Chinese Restaurants」を検索していただきたい。本書と合わせて見ればさらに楽しめる)。
2019年以降の作品
データ資本主義 ビッグデータがもたらす新しい経済
NTT出版 (ビクター・マイヤー=ショーンベルガーほか著)2019/3/25
日本経済新聞「この1冊」2019/6/1での藤田康範・慶応大学教授によるご紹介
斬新な未来図を示し常識を覆す。これからの資本主義を描き出す全10章。刺激的な各章が巧みに結合した本書を読了する頃には、読者は新たな見方を受容する喜びを感じるであろう。
本書は複雑な現状を誠実に描写し、我々に未来への希望を与えれくれる。人工知能を万能視する人や敵視する人、給与以外に生きがいを感じる人、21世紀のゴールドラッシュを実感したい人、等々。様々な人に読んでほしい一冊だ。
日経新聞「2019エコノミストが選ぶ経済図書ベスト10」の4位に選ばれました
イノセントマン ビリー・ジョエル100時間インタヴューズ
プレジデント社 2019/9/12
2011年に自伝として出版寸前まで進んでいながらビリー自身の意向でお蔵入りとなった膨大なインタビュー音源を基に、当時の共著者が評伝として再構成。幻の自伝が評伝に形を変えてようやく日の目をみることに。
TOOLS AND WEAPONS 誰がテクノロジーの暴走を止めるのか
マイクロソフト社長 ブラッド・スミスほか著
プレジデント社 2020/8/28
テクノロジーが進化を続ける一方で、さまざまな課題が持ち上がっている。我々の知らないうちに、ネット上では国家間の激しい「戦争」が繰り広げられており、すでに民間人が被害を受けるほど悪化している。また、顔認識技術で国民の動きを完全に把握しようとしている国家、コンピュータウイルスで多くの国を混乱に陥れようとしている国家、大統領選挙をネット経由で妨害しようとしている国家をあぶり出し、テクノロジーの問題点や解決のあり方を提示する。テクノロジーの暴走の中で、民主主義は生き残ることができるのかと著者は問う。
小売の未来 新しい時代を生き残る10の「リテールタイプと消費者の問いかけ」
ダグ・スティーブンス著
プレジデント社 2021/6月
パンデミック初期に経営破綻に陥ったブランド、小売店の大半は元々、集中治療室に入っていたようなものだった。経営破綻ブランドのなかで、消滅してしまって残念と思えるブランドがどれほどあっただろうか。
ポストコロナの時代へと無事飛び移ることができるブランド・小売業者はいくつあるのか。実店舗の新たな姿とは。新しい時代の小売の処方箋を提示する。
締め切りを作れ。それも早いほどいい。――時間と質を両立する仕組み
クリストファー・コックス著
パンローリング 2022/7月
意志の弱さを解決する効果的な仕組み、それが「締め切り」。実際、時間が限られると、無駄が減り、集中力が高まり、生産性や独創性が高まる。ところが、副作用もある。締め切りを設定したとたん、人間は締め切りぎりぎりまで仕事を先送りしがちだ。
では、締め切りのマイナス面につかまることなく、プラス効果だけを享受するにはどうすればいいのか。本書では、締め切りを確実に生かしている優れた組織の事例を取り上げながら、行動科学や心理学、経済学の専門家の知見を添えて解説する。
地球上の中華料理店をめぐる冒険
5大陸15ヵ国「中国人ディアスポラ」たちの物語
関卓中(チョック・クワン) 著
講談社 2024年6月
北極圏にある人口8万人にも満たないノルウェーの小さな町、アフリカ大陸の東に浮かぶ島国・マダガスカル、インド洋の小国・モーリシャス……。世界の果てまで行っても、華人経営の中華料理店はある。彼らはいつ、どのようにして、この土地にたどりつき、なぜ、どのような思いで中華料理店を開いたのか。そんな疑問を抱いて、世界に離散する華人の象徴とも言うべき中華料理店を訪ね歩き、一国一城の主や料理人、家族、地元の華人コミュニティの姿を丹念にあぶり出したのが、チョック・クワン(関卓中)著『地球上の中華料理店をめぐる冒険(原題:Have You Eaten Yet?)』だ。
食が表のテーマだとすれば、裏のテーマはアイデンティティである。食を足がかりに、その土地に華人が渡ってきた歴史的背景や彼らが置かれた状況、アイデンティティに対する彼らの意識を著者らしい旺盛な好奇心と鋭い視点で浮き彫りにしていく。
「あなたは自分が何人と思っているのか」「故郷はどの国か」「子供には同じ華人と結婚してほしいか」
著者は、このシンプルな、それでいて深淵な問いを投げかけ、華人の揺れる心の奥底をえぐり出していく。
本書のもととなったドキュメンタリーは2006年に公開されて反響を呼んだ。それから10有余年の時を隔てて、クワン氏は映像では伝えられなかったことも含め、このドキュメンタリーをベースに、書籍の形で改めて世に問うことになった。それが本書だ(ドキュメンタリーは今もYouTubeで公開されている。「Cheuk Kwan's Chinese Restaurants」を検索していただきたい。本書と合わせて見ればさらに楽しめる)。
数々の政治腐敗を暴き、プーチンに戦いを挑み続け、毒殺未遂で死の淵を彷徨いながらも一命を取りとめて再び立ち上がり、不当逮捕と不当裁判を繰り返された末に、2024年2月に北極圏の刑務所で不自然な獄死を遂げたロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ。
本書は、毒殺未遂後にドイツの病院で治療・リハビリを受けていたころから書き始め、ロシア帰国後に逮捕され、2024年2月の獄中死に至るまで丹念に書き綴った原稿や獄中日記をまとめた回顧録である。幼少時の記憶や両親、親戚の思い出、子供のころに目の当たりにしたチェルノブイリ原発事故を取り巻く異様な状況、ロックなど西側の文化に憧れ、拾い集めた薬莢で爆薬作りにのめり込んだ少年時代、おくてながら青春を謳歌した大学時代、弁護士としての日々、社員旅行先のトルコで後に妻となるユリアとの出会い、そして政治に目覚め、腐敗や政権と戦い続けた日々、祖国ロシアに対する愛、裁判所でのやり取り、獄中の様子など、ときにユーモアやウィットも交えながら、ときに情熱的に、何も包み隠すことなく思いのたけを語り尽くしている。
最後まで祖国を憂い、「詐欺師や盗人ども」から祖国を取り戻すために希望を捨てることなく行動を続け、命をなげうったナワリヌイ。この回顧録は、そんな男が3年をかけて綴った祖国ロシアの賛歌であり、その祖国を骨の髄までしゃぶり尽くしてきた巨悪に対する告発状であり、愛する家族と世界のすべての人々に宛てた遺言である。