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移民は悪か 人類に驚異的な進歩をもたらしてきた移住・移民の歴史
イアン・ゴールディン著  プレジデント社 (2026年4月27日発売)

「人類である以上、あなたもまた移民である。あるいは、その末裔である」――そう著者は説く。人類は移動によって進化し、移動によって生きながらえてきた。それは人類のDNAに深く刻まれた特徴でもある。祖先の移住がなければ、今のあなたは存在しなかった。
移民も移住も英語ではmigrantで、区別はない。しかも、移民という言葉の定義さえ国際的に確定したものが存在しない。どれだけの距離を移動すれば移民なのか、どれだけの期間を別の地で過ごせば移民なのか。1年で戻ったらどうなのか。3カ月なら? 実は、外交官も人身売買の被害者も大リーグで活躍する外国人選手も留学生も、移民といえる。これほどに曖昧な言葉が独り歩きして特定の意味に歪曲され議論されている現状に著者は警鐘を鳴らす。著者は、改めて人類の「移動」に着目し、知識、技術、遺伝子などの交流を通じ、ときに争いを引き起こしながら、進化してきた点を丹念に挙げていく。
また、納税などによる国への貢献と、教育や給付など国から受ける恩恵の比較の観点からの提言も興味深い。改めて移民とは何かを考えるための一冊だ。


 

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